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奈良県 斑鳩の里 法輪寺

法輪寺
住所:奈良県生駒郡斑鳩町三井1570
山号:妙見山
宗派:聖徳宗
薬師如来
創建:推古天皇30年(622年)
天智天皇9年(670年)
開基:山背大兄王
駐車場:通りに止めても問題ないかと

斑鳩の北に位置し、土地の名により三井寺とも呼ばれた。この三井の地名は古く、聖徳太子が飛鳥より三つの井戸をこの地に移したころからと伝えられたいます。


法隆寺・法起寺・法輪寺ともに飛鳥時代の7世紀の創建で、また近接する場所にありながら、法輪寺だけは自然災害という不運な歴史を辿って来ました。聖徳太子の御曹司山背大兄王が大師の病気平癒を祈りその子由義王とともに建立されたと伝わります。
また一説には、百済開法師・円明師・下永新物の三人が造寺したとも伝えられています。


昭和25年の発掘調査により、法隆寺式伽藍で法隆寺の三分の二であることがわかりました。平安時代には反映していたが、その後衰退をし三重塔を残すだけとなった。
法輪寺の再興は享保年間に寶祐上人により始められた。大坂商人を中心に多くの協力者を得て三重塔の修復がはじめられた。講堂、金堂、等も順jに再建され今に至っています。
(法輪寺拝観案内より抜粋)


法輪寺南大門
江戸時代の宝暦11年(1761年)に再建された、「新しい」建造物です。

三重塔
国宝に指定されていましたが、昭和19年(1944年)に落雷で焼失してしまい、現在の三重塔は昭和50年(1975年)に再建されたものです。この時の再建には国の援助は一切なく自力で再建したのです。
ここで特筆すべきことは、心礎が地下式であったこと。


再建の三重塔は昭和47年(1972年)発掘調査で確認された旧三重塔の心礎をそのまま使っています。基壇面より約二メートル五十センチ地下に掘られてある心礎の中央には径15センチの仏舎利が、内側より順に瑠璃・金・銀・銅の壺にいれ子状に納めれれて安置されている。


再建を指揮したのは、かの有名な法隆寺の宮大工棟梁、西岡常一さんでした。
さらには「五重塔」の幸田露伴の次女で、作家の幸田文さんが資金支援の先頭に立って浄財を支援したそうです。


法輪寺の三重塔は創建時の姿で再建(昭和50年(1975年))され、相輪の「風鐸(風鈴)」天人の楽に例えられる。当時のままに風になびいて音を立てています。


この昭和19年の落雷による火災では、仏舎利が奇跡的に救出され、現在の三重塔の心礎、救出された釈迦如来坐像、四天王像も初層に安置されています。


木造薬師如来坐像(国指定重要文化財)や木造虚空蔵菩薩立像(国指定重要文化財)などの仏像も、地元の方々によって救出されました。その仏像は、再建された講堂の中に安置されています。

講堂の本尊
弥勒菩薩立像 平安時代
本来は僧が勉強するところです。
昭和35年(1960年)に大家耐震の収蔵庫として建築


薬師如来坐像 飛鳥時代
本尊で現存する飛鳥時代の木彫り如来像としては唯一最大とされています。
樟材の一木造り木、要所要所には木寄せ木が行われ、内刳はありません。薬師如来ですが薬壺を持たない古い形式となっています。
光背は後日つけられたもので、当初はありませんでした。


虚空菩薩立像 飛鳥時代
自伝によると、虚空菩薩となっていますが左手に水瓶を持ち右手は屈臂迎掌いています。これは本来なら観音菩薩のお姿です。樟材の一木造りで内刳はありません。しかし、木の心部分に空洞状のものがあります。ですので初めからそのようの木を用いたのではないかと考えられます。


十一面観音菩薩 平安時代


寺伝によると聖観音菩薩です。持仏の蓮華に塔を載せていることから、弥勒菩薩と称されました。


地蔵菩薩坐像 平安時代


楊柳観音菩薩立像 平安時代
慈悲深い衆生の願望に従うことが楊柳の風になびく様子に似ていることに由来します。


吉祥天立像 平安時代


米俵乗毘沙門天立像 平安時代
米俵に乗る毘沙門天像は他には見ることが出来ない、貴重な仏像です。


妙見菩薩立像 江戸時代
妙見堂の秘仏のお前立です


聖徳太子二歳像(南無仏像)なむぶつ 鎌倉時代
二歳の大子が二月十五日に合掌され「南無仏」と唱えると、手から仏舎利がこぼれ良い香りが上がったと言われる像です。


聖徳太子十六歳像(孝養像)きょうようぞう 室町時代
十六のとき父用明天皇のため香炉を執って病気平癒を祈られたという御姿を現しています。


以上のように小ぶりなお寺ですが多くの重要文化財を所蔵しています。
仏像好きな方は是非義ランいただきたいものです。


現在の金堂は、宝暦11年(1761年)に再建されたものです。
再建とは言え、江戸時代中期の建造物が現存しているのです。いずれ重要文化財に指定されるのではないでしょうか。 

金堂

妙見堂
平成十五年に竣工
秘仏妙見菩薩像を安置しています。
星祭りや毎月の護摩供養などを行います。

地蔵堂
江戸時代の建物です。
鎌倉時代の石の地蔵さまが安置されています。

西門  (上土門)
板を並べた上に土を盛り、妻に土留めの絵振板を置いた上土門という造りで大変貴重な遺構です。昭和52年(1977)に修復されました。(本瓦葺から現状に修復)

秋艸道人歌碑 しゅうそうどうじん
史学者・書家・歌人です。本名は会津八一 
 歌碑には
「くわんのん の しろき ひたひ に やうらくの かげ うごかして
かぜ わたる みゆ」



最後まで読んでいただきありがとうございます。

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