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京都    世界遺産 龍安寺

龍安寺  りょうあんじ
住所:京都市右京区龍安寺御陵下町13
電話:075-463-2216
駐車場:駐車場は石庭拝観者に限り1時間無料

ここ龍安寺が特に有名となったきっかけは、1975年にエリザベス2世女王夫婦が龍安寺を公式訪問した際は石庭を観たいと言われたそうであり、誰が進言したかもわかっていませんが、この石庭を観られたエリザベス2世女王が石庭を称賛したのがきっかけ。当時の日本の侍や禅ブームの後押しもあって世界的に大ブレイクしました。現在では「ロック・ガーデン」として世界的に有名な日本庭園となったのです。
作庭は,推定:1536年(天文5年/室町時代後期)※戦国時代と考えられています。


宝徳2年(1450年)、平安時代の貴族徳大寺家の山荘を、室町幕府の管領だった細川勝元が譲り受け、妙心寺の義天を開山に招き創建された。この寺も有名な応仁の乱で全焼し、勝元の実子改元が復興に着手。その後、細川家の菩提寺として、豊臣秀吉や徳川家などから庇護を受けたのです。
寛改9年(1797年)、方丈などを焼失し、のちに塔頭の西源院から方丈を移築。有名な石庭は、明応8年(1499年)に方丈が建立された際の造営といわれています。白砂の上に大小15個の石が配された、およそ75坪の枯山水庭園。虎が子供を連れているように見えることから「虎の子渡しの庭」とも言われていますが、古くからの別名が存在しており「七五三の庭」とも呼称されるようです。


石庭の大きさは
縦幅:約10.5メートル
横幅:約24メートル
面積:約248平方メートル(約75坪)


使われている石の材質
緑色片岩、チャート(堆積岩)、変斑レイ岩、細粒花崗岩、石英片岩
石の主な採掘場所は石の質から考えて主に京都(丹波など)、和歌山県だと思われる
これらの石の特質を生かし、うまく配置されているのです。よく見ると石の色が違うのがわかります。


ところで「虎の子渡し」の由来・意味は以下のように説明されています。
「虎の子渡し」とは中国の故事で「虎は命をかけるほどの苦労をしてでも、子供を大事に育てる」の意味があります。
中国では虎が3匹の子を産むと必ず1匹は気の荒い子虎(一説では彪(ひょう))が産まれてくるという言い伝えがあり、その言い伝えになぞらえたような故事が以下のようなものになります。
「とある母虎」には3匹の子供がいましたが、この中に1匹だけ気の荒い子虎がいました。
ある時、母虎は川を渡って向こう岸まで行かねばならず、この時に気の荒い子虎を他の2匹と一緒に残すと、他の2匹が食べられてしまうだろうと考え、最後に気の荒い子虎を向こう岸まで運んだという話です。
母虎は子虎を1匹ずつしか背中に乗せることができない上、「気の荒い子虎」と「2匹の子虎」を一緒にしてはならないので、実は最初に1度「気の荒い子虎」を向こう岸まで運ばなければならないのです。
こうして、この母虎が悪戦苦闘しながら川を往復する姿と、子虎の様子がこの石庭の石の配置で表現されていると云われ、そんなことから「虎の子渡し」と呼ばれました。


もう1つ別名があり「七五三の庭」などとも呼ばれています。
「七五三」は、これは石庭の略称と言えます。
石庭は東側(入口側)から石を数えると5、2、3、2、3となり、5+2=7で「七」、3+2=「五」、残った3つの石で「三」で「七五三」となり、ここから由来がきてます。
ちなみにこの当時、中国から伝来した名器(珍しい器)などを飾りつける時、七・五・三の順番で飾りつけがされていたようであり、これをヒントして根本となる石の配置が定められたのかも知れません。
また、このような七五三の庭はここ龍安寺の石庭だけではなく、付近に位置する「妙心寺」や「大徳寺」の庭園でも見ることができます。しかし、配置は同じようでも砂紋が
相違するのです。波紋状、直線状また石を避けて流れていく川の様な砂紋など様々です。この石庭は15個の石を取り囲むように京都産の白砂(白川砂)が撒かれそれぞれ石の周りは波紋状となっています。


龍安寺の石庭の作庭方式は、枯山水と呼ばれる作庭方式で、つまりは石を用いて「水」や「島」を表現したような庭になっています。
この庭園をよく見ればわかりますが、15個の石と石の下に生えたコケ、そして15個の石を囲むうように白砂が敷き詰められています。
通常、借景(どこかの景色を真似ると)を用いれば樹木があり山を表現する盛り土がありますが、しかしここの石庭は一切それがないのです。


これらの石を取り囲むように京都産の白砂(白川砂)が撒かれ、その周囲を短冊状に削りとった「花崗岩(かこうがん)」で囲んでいます。
その花崗岩の向こうには「こけら葺き」の屋根を持つ「油土塀(あぶらどべい)」もしくは「築地塀(ついじべい)」と呼称される「土壁」がこれらを取り囲んでいます。
尚、油土塀の屋根は、色艶から見て割と新しく見えますが、これは1978年(昭和53年)に吹き替えらた屋根で、それ以前は瓦葺の屋根でした。


油土塀(あぶらどべい/築地塀/ついじべい)
これは赤土に菜種油を混ぜて作った土で重厚な造りで石庭に非常にマッチするのですね。
これが単なる土塀、漆喰壁ではこうも石庭は映えないでしょう。読者の皆様も廊下に座りじっくり眺めてください。


また、龍安寺石庭を取り巻く土壁の高さによく注意してみると土塀の高さが他のお寺の塀と比べると低いのです。1.80メートル程であり、他の類似した庭園を持つ寺院の平均的な壁の高さの約半分ほどしかないのです。
これは縁に正座する形で腰かけると、周囲の景色がよく観ることができるように計算されて造られているからだと考えることができます。また当時は塀の外の樹木も多くはなく塀越しに東山の景色も見えたのかもしれません。
なお、向かって右側(入口から見ると正面です)の土塀です。
一見、他の土塀と同じに見えますが、実は、手前の方が奥よりもおよそ50cm程高く造られているのです。
手前から奥に行くにつれて土塀を低くしていくことで、入口から見ると、石庭が実際よりも広く見えるという、絵画でいう遠近法を利用した造りとなっているのです。とてもよく考えられているのですね。

石庭の入り口には箱庭の石庭も置いてありました。
ここには石庭の説明書きがありました
実際に石庭を見ると14個島見えませんが、よく見ると大きな石の横にかくれんぼするように1つ石があります。


ここで余談ですが
龍安寺は京都にある世界遺産の一つです。
以下に京都の世界遺産を紹介しておきます。ちなみに奈良県は10カ所の世界遺産あります。
賀茂別雷神社(上賀茂神社)
賀茂御祖神社(下鴨神社)
教王護国寺(東寺)
清水寺・・・紹介済み
延暦寺 ここは滋賀県にもまたがる聖域
醍醐寺・・・紹介済み
仁和寺
平等院  改修工事終了
宇治上神社・・紹介済み
金閣寺
銀閣寺・・・・紹介済み
西本願寺
二条城
高山寺・・・・紹介済み
西芳寺
天龍寺
龍安寺   世界遺産登録日 1994年(平成6年)12月17日

西源院の本堂を移築したもの

現在非公開  方丈の襖絵

境内の約半分を占める鏡容池を中心にした回遊式庭園はまた素晴らしい。庭園で訪れる人々を驚嘆させるものです。庭園好きにはたまらないでしょうね。四季折々の花々が楽しめ、佗び寂びの精神に基づく禅寺の簡素な庭など、この二つの異なる庭園を持つところが、龍安寺の大きな魅力ではないでしょうか。



また、茶室蔵六庵前にある徳川光圀の寄進とされる「つくばい」は、中心の「口」の字を共用し「吾唯知足(ワレタダタルヲシル)」と読み、禅の格言を謎解き風に図案化されたものといわれる。よく考えられています。このようなつくばいは他の寺にも見られますが
ここがお手本でしょうね。上から「吾」右「唯」左「知」下「足」

水分石(みくまり)池のアクセントと水量を測る

鏡容池
元は5島あり、舟遊びもできる蓮莱池泉庭でした。今は3島しかありません
3島が一直線に並び水分石も残っています。この現在の池泉庭は慶長五年石川備前守光吉
により再興された庭です。真田幸村の娘とも深いかかわりがあります。

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