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奈良県  福智院 特別公開 地蔵菩薩

福智院
所在地:奈良県奈良市福智院町46
山号:清冷山
宗派:真言律宗
創建:天平8年(736年
開基:玄昉
本尊:地蔵菩薩
駐車場:
拝観料: 特別公開
2017.10.28

山門のすぐ後ろが本堂

本堂
鎌倉時代
外観は重層の建造物のように見えるが、一重の裳階つき(方一間の身舎に、四方に四間のもこしが廻る)で屋根は寄棟造り、本瓦葺で正面に一間の向排がついています。内陣には和様を主体とする頭鼻に天竺様繰形が用いられていて、和漢折衷の造りとなっています

このお地蔵さまは大きいだけではありません。南都仏師が手がけた鎌倉時代の仏さまらしく、切れ長の凛とした表情が印象的です
丈六(2.73m)の座像で、台座からの総高は6.76mもある巨像
鎌倉時代作。1203年に発願され、1254年に開眼
桧の寄木造りで、その上に漆を塗り彩色が施されていた。
坐禅のような「結跏趺坐」ではなく、右足を前に出した「安坐」
台座は、菩薩に多い「蓮華座(蓮の花が開いた形)」ではなく、法隆寺の仏像でよく見られるような、裾が台座に垂れ下がる「裳懸座(もかけざ)」に
お地蔵さまなのに「光背」を背負っていること。


最も驚くのは光背です。大きさは5.05mと巨大で、化仏(小さな仏さま)がびっしりと並んでいます。地蔵尊がこのような光背を持つのは珍しく、現存している唯一のものだそうです。


化仏の地蔵菩薩の小像は560躯もあります。そして、それよりもわずかに大きな作りで、不空成就如来(=お釈迦さま)を頂点に、左右三躰ずつ六体の地蔵菩薩像(六地蔵)が並び、さらにその下には、左右一躯ずつ神職の姿をした冥官座像が並びます。 


堂内は薄暗くて、最初はよく見えないのですが、よく見ると驚きを禁じえません。
背に560躯、六地蔵と本尊を合わせると、計567躯のお地蔵さまがいらっしゃることになります。これは、お釈迦さまの入滅後、56億7千万年の後に下生すると云う弥勒菩薩の信仰に符合する数となるのだそうです。
ここでさらに驚きますね。


宝冠」十一面観音菩薩  パンフレットより

福智院は聖武天皇の御世に、僧玄昉が建立した清水寺の遺鉢を受けた寺として、受け継がれてきました。本尊胎内に「建仁三年六月願文」と「建長六年供養」の二種の墨書がありました。


福智庄(現奈良市狭川町)において建仁三年(1203)に造立されたが、その後、まもなく興生菩薩叡尊上人に依って現在地に移され、建長六年(1254)福智院が創建されたと見ることが出来ます。


 「清水寺」は現存せず遺跡も発見されておりませんが、「奈良坊目拙解」に、清水の三町は奈良清水寺の古跡で、後に福智院と称す。


天平年間、僧玄昉(~746) 行基、良弁等と共に岡寺の義淵に学び、726年入唐、735年に五千余巻の経典と仏像を持って帰朝)が、この清水の地に地蔵菩薩を本尊とした清水寺を創建、中世に廃壊し、建長六年、興福寺大乗院実信僧正が、福智院地蔵堂の造立供養をしたが、これは清水寺の再興であると述べています。


最後迄読んでいただきありがとうございます。

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