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京都府 「当尾(とうの)」浄瑠璃寺 九体阿弥陀座像

浄瑠璃寺  
住所:京都府木津川市加茂町西小札場40
山号:小田原山
宗派:真言律宗
開基:義明 
創建:永承二年(1047年)
本尊:九体の阿弥陀如・薬師如来
駐車場:あります
電話:0774ー76ー2390 


この寺の圧巻は何と言っても九体揃った国宝阿弥陀如来(九品仏)です。

山門  白線は3本

5本あるお寺が最上級だと言われています。


浄瑠璃寺がある一帯は「当尾(とうの)」と呼ばれ、古くから良質の花崗岩を産出した地で、磨崖仏や石仏が数多く点在しています。そのため「石仏の里」と呼ばれ、独特の雰囲気が味わえるところです。色々なパンフレットでも紹介されています。浄瑠璃寺と合わせて散策すると、一味違った極楽浄土を味わう事が出来きてお勧めです。一帯を巡っても約2時間もあれば良いかと。私は巡っていません。今はお寺と仏像に取りつかれてしまったので石仏までは・・・・・。

参道

参道の石仏


歴史
東方浄瑠璃浄土の教主である「秘仏薬師如来」が安置された事が始まりと言われています。その後、嘉承二年(1107年)に本堂の阿弥陀堂が建立され、「九体の阿弥陀如来」が安置されて西方浄土が再現されているのです。堂内に入った時が、恐らく一番極楽浄土を体感出来る瞬間ではないでしょうか。入った途端に驚きと感動が体を包みます。
中央の一体を除き、同サイズの輝く金色の仏様が一同に揃うお姿は、誰もが初めて見る光景で本当に圧巻)なのです。すべて藤原時代の作で国宝です。
伽藍配置は山門より左手東側に藤原時代の作で平安末に京都一条大宮からに移築されました。国宝「三重塔」があります。初層には東方浄土(浄瑠璃浄土)の薬師如来で、人々を現実の苦悩から救い西方浄土へ送り出してくれる秘仏です。また扉には釈迦八相、四隅には十六羅漢図など装飾壁面があります。もとは仏舎利が納められていたそうです。ここに移築されてからは東方本尊の薬師如来が安置されたのです。

宝池  亀が沢山泳いでいました。


中央に「宝池」、山門より右手西側に本堂「九体阿弥陀堂」があります。
山門入ってすぐの「灌頂堂(かんじょうどう)」に秘仏4躰、本堂「九体阿弥陀堂」に秘仏1躰・国宝11躰・重文が2躰お祀りされています。
「灌頂堂」には『秘仏大日如来像』『秘仏弁財天像』『秘仏役行者像』『秘仏開山 義明上人像』が祀られ、御開帳はたった年に3日間しかありません。
御開帳日
毎月8日・彼岸の中日・正月三が日
なお「奈良 祈りの回廊」や「木津川市秘宝・秘仏公開」の催しに合わせ10月末~11月上旬にも約1週間御開帳されています。


ここで、秘仏の拝観は、注意しておきたいのは。『ただし好天に限る』という条件付きの御開帳なので、晴れの日にしか拝観できない点です。
事前に電話でご確認しておくと良いと思います。私たちも電話で確認してから行きました。写真撮影はできません。


「浄瑠璃寺」の正しい礼拝の仕方があるそうなので、紹介致します。
まず山門を入り東側にある「三重塔」を拝観、『秘仏薬師如来像』を拝みます。拝観はできません。)(御開帳日のみ)
その場で振り返りると、宝池越しの西側(正面)の本堂 来迎仏「九体阿弥陀堂」を臨みます。

ここで実際に「三重塔」の前で振り返ると

宝池(梵字の阿字をかたどったと言われる池を中心にして)・庭園・本堂が眼下に広がり、西方浄土を現した世界を一望出来るのです。素晴らしい景色です。


宝池の東岸が「此岸(しがん)」と呼ばれる現世で、対岸の西岸がお彼岸で知られる「彼岸」と言う来世を現しているのです。そして更に凄いことが起こる日があるそうなのです。
(その凄いことは『秘仏薬師如来像』の御開帳日「彼岸の中日」が注目の日です。
春分・秋分の「彼岸の中日」になると太陽がちょうど東の「三重塔」から昇り西の本堂「九体阿弥陀堂」の真裏に沈むのです。ですから、夕刻が一番の見頃。
太陽の沈む西方浄土へ迎えてくれるのです。宝池の東岸から阿弥陀如来を西に向かって拝むことになります。
お彼岸の日(春分・秋分)に合わせて太陽の軌道も計算して設計されているようです。晴天「お彼岸の中日」は最も極楽浄土を体感出来るのですが、なかなか難しいようです。

九体阿弥陀堂
中尊のみ他の八体より大きく、手の印相が唯一「来迎印」を結んでいます。(他の八体は定印)。この印相は弱いものを引き上げ助けて下さるという意味です。八体の仏像はそれぞれ表情や法衣が微妙に違う点があるのでよくご覧ください。(八体中一体のみ鎌倉期のもので光背に唯一鳳凰が刻まれています)


平安時代、経典の九品往生説(くぼんおうじょうせつ)に従って、九体の阿弥陀如来像を安置した「九体仏堂」が、京都には約30棟も建立されていました。しかし残念ながら多くの戦乱で焼失し、唯一、浄瑠璃寺のみ「九体仏堂」と九体揃った阿弥陀如来様は現存しているので、ここでしか体感できません。この貴重な九体の阿弥陀如来像は『九品仏(くほんぶつ)』とも呼ばれています。


※九品往生説とは、日頃の行いによって、阿弥陀様が「上品上生(じょうぼんじょうしょう)」から「下品下生(げぼんげしょう)」の9段階のいずれかのランクの浄土にお迎えして下さるという考え。上品・下品の言葉の由来でもあるのです。


浄瑠璃寺には、かの有名な『秘仏吉祥天女像』がお祀りされています。厨子に入っています。御開帳日にしか見ることはできません。
拝観しました。それは上品なお顔立ちです。


なお、浄瑠璃寺の秘仏全てを一気に拝観できるのは、1月8日晴れの日一度きりのチャンスなのです。でも雪が降ることもあるのです。電話でお寺に確認するといいかと。

多くの石仏がありました。
庭園は池を中心に作られており、久安6年(1150年)に造園されたと伝わっています。
特別名勝および史跡に指定されています。


本堂前の灯篭 南北朝時代の作と伝わっています。
三重塔前の灯篭とともに重要文化財に指定されています。



ここで、お知らせ。
九体阿弥陀如来坐像は2018年7月から5ヵ年計画で二体ずつ修理中です。


国宝
 本堂(阿弥陀堂)、三重塔、九体阿弥陀如来像、四天王像
・重要文化財
 薬師如来坐像、地蔵菩薩立像(子安地蔵、延命地蔵)、吉祥天女像
 本堂前の石灯篭
・史跡・特別名勝
 浄瑠璃寺庭園

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